『潜水服は蝶の夢を見る』
f0194546_1642028.jpg2007年 フランス/アメリカ
原題: LE SCAPHANDRE ET LE PAPILLON
監督: ジュリアン・シュナーベル
原作: ジャン=ドミニク・ボビー 「潜水服は蝶の夢を見る」
出演: マチュー・アマルリック、エマニュエル・セニエ、マリ=ジョゼ・クローズ、アンヌ・コンシニ、パトリック・シェネ、ニエル・アレストリュプ、オラツ・ロペス・ヘルメンディア
系統: ドラマ/伝記
公式HP

さめ的この映画のキロク: ★★★★★

あらすじ: 雑誌「ELLE」の編集長として、申し分のない生活を
送っていたジャン=ドミニク・ボビーは、ある日突然の脳梗塞に襲われる。
病室で目覚めたときには、ロックト・イン・シンドロームに陥っていた。
体の自由を奪われ絶望する彼だったが、
やがて、独自のコミュニケーション法を会得、自伝を綴る決意をする・・・

さめ的この映画のココロ: 『バスキア』『夜になる前に』などを手掛けた、
ジュリアン・シュナーベル監督作品。
数々の賞を受賞、アカデミー賞にもノミネートされた作品。

ファッション雑誌「ELLE」の編集長であった、ジャン=ドミニク・ボビー。
突然の脳梗塞により全身が麻痺。
目覚めたとき、唯一動かすことができたのが、左目だったという。
その左目の瞬き20万回で綴られた自伝的小説を映画化したものである。

物語は、ジャン=ドーが目覚めるところから始まる。
ぎこちない瞬き。
ぼやけた白い病室。
体を寄せ、視界に入ろうとする人々。

ロックト・イン・シンドローム(閉じ込め症候群)に陥った彼の目線を、
彼の独白に乗せ、独特のカメラワークで描く。

この秀逸なカメラワークにより、我々は彼を体感することができる。

植物状態ではなく、意識は鮮明。
それなのに、左目以外何一つ自由がきかない。
その精神的負担は想像を絶する。
ましてやあれだけの知識と想像力を持っていながら、
何一つ行動することができないなんて、その絶望は計り知れない。

療法士が考えた、瞬きによるアルファベットの提示。
苦しむジャン=ドーは、「死にたい」と伝える。
でも、自分で死ぬことすらもできないのだ。

彼は自分のことを、重い潜水服を身に付け、
深い海を漂っているかのように例える。
そしていつしか、その想像力だけで、
記憶の中を蝶のように自由に泳ぎ始める。

そうして綴られた瞬きの自叙伝。
我々にはたったの2時間の体感だけども、
完成まで、どれだけの時間と苦悩があっただろう。

これも、ジャン=ドーの強い精神力と、
培われた多くの知識、限りない想像力の賜物、
そして、彼を支えた人々の、惜しみない努力があったからだろう。

こういう映画はかくして感動的で、お涙頂戴的なものになりがちだけども、
この映画は決してそうではない。

もちろん、彼の苦しみや悲痛の叫びは充分伝わってくる。
だけども時には、男の目線を描いてみたり、笑
投げやりな悪態をついてみたり、
どこかコミカルで、またユーモラスな描写も忘れてはいない。

ジュリアン・シュナーベル監督、実は画家でもあるらしい。
なるほど、その独特な映像とカメラワークは、本当に素晴らしい。

同監督の『バスキア』『夜になる前に』も、
なかなかパンチの効いた好きな映画だけども、
それらとはまたかなり違ったテイストの本作。
キロク★は5つ!
ゼヒ観てほしい作品のひとつです。


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by samepoooo | 2008-12-16 19:17 | 映画 さ行
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